2009年の2枚組CDコンピレーション『MORE POWER』に収録された音源の多くは、30年以上にわたってブートレグやインディーズ・レーベルから何らかの形でリリースされてきた。 だから、これらの音源を新たにリマスタリングされたヴァージョンとして、ようやく便利な場所に集めてくれたアーカイヴ・レーベル、クレオパトラに感謝しなければならない。 とはいえ、これらは1973年、デヴィッド・ボウイがプロデュースした『RAW POWER』のリリース後、イギー＆ザ・ストゥージズの全国ツアーに備えて録音された、いわゆる "デトロイト・リハーサル "と呼ばれるローファイなテープがほとんどであることに間違いはない。 イギー・ポップとギタリストのジェイムズ・ウィリアムソンはまだ曲作りの真っ最中で、バンドは「C**K IN MY POCKET」、「JOHANNA」、「Open Up and Bleed」といった真新しい曲をリハーサルしていた。 (2007年の『THE WEIRDNESS』まで待たねばならない）。 そのため、これらのヴァージョンは、現代に至るまでモダン・ロックンロールに影響を与え続けているプロト・パンクのオリジナル曲の残り全てである。 健康状態やドラッグの問題はよく知られているが、バンドが最高のコンディションで活動していたことも悪くない。 過小評価されているウィリアムソンは、アメリカのキース・リチャーズのような存在だった。彼のソングライティングと演奏は、ロン・アシュトンがギターを担当していた頃のFUN HOUSEのシンプルな輝きはまだ否定できないものの、ストゥージズにそれまで持っていなかった音楽的な繊細さをもたらした。 不本意ながらベースに移った）アシュートンとドラマーの弟スコットは、今でもイギー・ポップが持っていた最高のリズム・セクションであり続けている。 有名なパンク時代の7インチ "I Got A Right" b/w "Gimme Some Skin "を含むこれらのロッカーのほとんどは、今でも電波を焼き尽くすことができる。 クラシック・パンクだけでなく、その直後に登場したハードコア・シーンも、ディランの『ベースメント・テープス』がアメリカ音楽の異なる系統に与えた影響と同じように、彼らにすべてを負っている。

#イギー・ポップ
#デヴィッド・ボウイ