ジョン・レノンとポール・マッカートニーが忙しい合間を縫ってノン・クレジットでアレンジャーとして”友情参加”しております。

昔から熱心なビートルズ・ファンには知られた存在。Beatlesファン必携の作品です。



「芸術家の自由な表現活動をサポートするため」という崇高な目的を果たす為に設立されたビートルズのアップル・レコーズ。ビートルズの作品は勿論の事、４人のメンバーがそれぞれ連れてきた、メリー・ホプキン、ジェ－ムス・テイラー、ジャッキー・ロマックス、バッドフィンガー、ラヴィ・シャンカール、ＭＪＱ、ビリー・プレストン、ジョン・ダウナー、エレファンツ・メモリーといった連中の作品を発表してきたアップルはミュージシャン自らが発足させた自主レーベルとしては草分け的な存在。
しかしながら会社経営にド素人な人達が集まって設立された会社だった為、発足当初からゴタゴタの連続、しかもポールを除くジョンら３人の推薦によりアップル経営に乗り出したアラン・クラインの割り切ったコスト・カッター然とした対応がポールと他の３人の間の軋轢を増大させた事は皆様ご承知の通り。ミュージシャンの自由な発想を最大限に尊重する目的で設立された筈のレコード会社が崩壊直前のビートルズ、そして解散後も元メンバー達の足枷となったのであります。なんとも皮肉な話です。
ビートルズのメンバーが発掘したアップル所属の新進気鋭のアーティストといえばメリー・ホプキンやアイヴィーズ（後にバッドフィンガーに改名）当たりが有名でしょうが、今回紹介するソフト・サイケ路線のブリティッシュ・ポップ・バンド、グレープフルーツはアップル設立当初、同レーベルと契約を果たしていながらゴタゴタ続きのアップルの御家騒動に巻き込まれ結局アルバムを発表する機会を失った、なんともアンラッキーな経歴を持つバンドです。
ソフト・ポップなサウンドに相応しいバンド名を持つ同バンドの名付け親は一説にはビートルズのジョン・レノン。オノ・ヨーコの詩集のタイトルから取って付けられたとか。彼等の作品は結局アップルから発売される事はありませんでしたが、ジョン・レノンとポール・マッカートニーが忙しい合間を縫ってノン・クレジット