北森 鴻 「暁英」「暁の密使」「狂乱廿四考」



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北森 鴻「暁英」



明治充年に来日した若き英国人建築家ジョサイア・コンドル。のちに「鹿鳴館」建造担当者となる彼は、お雇い外国人として多忙な日々を過ごすうち、天才画家河鍋暁斎に弟子入りする。一方で、国際商社ジャーマン・マセソン社から、ある密命を帯びていた…。謎に包まれた鹿鳴館をを描くという作業は、近代日本をそのものを描くこと。鬼才、渾身の明治ミステリー800枚。無念の絶筆作品！



北森 鴻「暁の密使」



〈不借身命〉仏道のために一命を賭して西蔵（チベット）の聖地・拉薩（ラッサ）を目指した仏教徒がいた。その名は能海寛。

時は明治。、近代国家形成に向け必死に背伸びする日本を取り巻く情勢は、その苛烈さを増していた。アジアに

あって地勢の要衝であるチベットを制するために欧米列強の触手が伸びる。世に“グレートゲーム”といわれる派遣競争である。仏教再興のためチベット潜入という壮挙を図りながらも、思いなかばで行方を絶った能海の足跡を辿りながら、“歴史のif”に挑む著者会心の歴史ミステリー巨編。



北森 鴻「狂乱廿四考」



明治三年。脱疽のため右足に続き左足を切断した名女形、澤村田之助の復帰舞台に江戸は沸いた。ところが、その公演中に主治医が惨殺され、さらには、河鍋暁斎が描いた一枚の幽霊画が新たな殺人を引き起こす。戯作者河竹新七の弟子・峯は捜査に乗り出すが、事件の裏には歌舞伎界の根底を揺るがす呪われた秘密が隠されていた…。

第六回鮎川哲也賞を受賞したデビュー表題作に、その原型となった短編「暁斎幽霊画考」を併せて収録。気鋭の原点とも言うべき傑作時代ミステリ。