《稀少本》
ル・コルビュジエを見る 20世紀最高の建築家、創造の軌跡
越後島 研一
中公新書
定価: ￥ 760+税

#越後島研一 #本 #土木・建築／建築

ル・コルビュジエのお洒落で格好いいイメージは、建築専門誌以外でも特集記事が組まれることが多く、広く知られている。 いったい、彼の建築のどこが人々を魅了するのか。 本書は、彼が遺した膨大な作品群の中から初期のサヴォワ邸と後期のロンシャン教会堂という「世紀の名作」を軸として、この二つの建築物の新しさ・美しさはどこにあるのかを解き明かしつつ、一人の建築家の足跡と、日本の建築家に与えた影響を探る。

プロローグ 「透明な絵画」から「透明な都市」へ
第1章 革新—幾何学の美
第2章 変貌—幾何学からの転身
第3章 成熟—集合、都市、闇
第4章 日本への影響
エピローグ 遺言—ラ・トゥーレット修道院(1958)



「住宅は住むための機械である」。コルビュジェが吐いたこの言葉ほどに近代建築の一つの本質を言い当て、また広く世界の建築家に影響を与えたものは、そうありません。コルビュジェは、住宅建築によって近代建築の理念を具現化し、近代建築の旗手となっていきます。それはこの言葉からも分かるように、機械=普遍性のイメージによって20世紀という時代の精神を正確にとらえていたと同時に、住宅にこそ近代建築の本質が端的に表れることを掴んだからです。コルビュジェが近代の建築家として、最初に成し遂げた業績に、鉄筋コンクリートの軸組を発展させたドミノ・システム(1914年)の考案があります。
……。
コルビュジェの理念が最も明確に体現されたのが、1931年、パリ郊外のポワッシーに完成したサヴォワ邸です。それと相前後する1927年、コルビュジェはドミノ・システムによってもたらされる建築の新たな構成を、近代建築5原則(①ピロティ②屋上庭園③自由な平面構成④水平連続窓⑤自由なファサード)と称して定式化しているのですが、サヴォワ邸では、その5原則があますところなく体現されています。
〈安藤忠雄『建築に夢をみた』より
　　　　　　　　　　　　　出品中〉



ル・コルビュジエが手がけた建築の中で、計7か国17件が世界遺産として登録されています。日本では唯一上野の国立西洋美術館がその中の一つです。

美品