ロッシーニ には「エジプトのモーゼ」やら、フランス語の「モイーズとファラオン」など（あげくはシェーンベルクの「モーゼとアロン」まで）色々あってややこしいのですが、「モゼ」は作曲者自身の改作。イタリア語歌唱で、ヴェルディの影響も垣間見える通好みのオペラです。
恋愛もののドロドロしたオペラが苦手な私としては、無駄な枝葉がなくスッキリしていて、「ああ、いいものを見た」という気持ちになれました。

舞台となっているのはミラノの象徴たる大聖堂ドゥオーモで、初めて高度なプロジェクション・マッピングを用い、壮大な宗教劇に仕上げています。
モゼを歌うルッジェロ・ライモンディは高身長が映えてカッコよく、衰えのない声も素晴らしいです。ライモンディ曰く、モゼの歌の質に魅了されており、劇的に強いこのオペラが大好きだと。私はかねてライモンディのファンなのですが、彼は昔からよく楽譜を研究しており、自分の納得のできるオペラ、役柄でないと出演しないと言っています。その彼の審美眼、センスを信じて購入したのですが、これは大当たりでした。

またプロジェクション・マッピング自体、途轍もない費用のかかる重たい舞台装置や舞台の転換等を考えると、これからの時代、大いに活用すべきやり方かもしれません。歌い手が変に動いて過剰な演技をする必要はなく、舞台の移動や転換もありませんので、見ている観客もオペラそのものに集中できます。

ところで舞台となった大聖堂について22分のボーナス映像があり、これが思いがけず充実の内容でした（ここは英語字幕のみ）
この大聖堂は1386年に着工し、500年の時を経てナポレオンの命により完成。その壮大な建築は全長158m、幅93m、高さが108mで内部の面積が1万1700平方メートル。世界最大級のゴシック建築として知られ、135本の尖塔、2245体の彫刻との融合美はまさに圧巻でした。

なかなか出回っていない珍しい品で、Amazonでは高額取引きされるオペラです。新品購入したもので、一度人手に渡ったとはいえ盤面は新品同様かと思います。きわめてレアな逸品、是非いかがでしょうか。なお、他にもオペラやバレエのDVDを出品していますので、あわせてご覧いただけると幸いです。よろしくお願い致します。

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