ブラマンク展　VLAMINCK　図録
没後30年・フランス野獣派の旗手
出版社：朝日新聞社

本文ごあいさつより
フランス近代絵画野獣派(フォービスム)の巨匠、モーリス・ ド・ブラマンクの没後30年を迎えたのを機に、東京をはじめとす る全国6会場で回顧展を開催することになりました。

ブラマンクは、パリの貧しい音楽家の家庭に生まれ、幼少か ら機械工、競輪選手、オーケストラの一員など多彩な職業を 転々とするなど波乱に満ちた生活を送り、独学で絵を描き始め ました。その後、ゴッホの強い影響を受け、ドランやマチスらと フォービズム運動を興し、やがてセザンヌに傾倒、構成的な要 素を取り入れました。自由奔放な色彩とダイナミックな力強い タッチで独自の世界を展開した今世紀前半を代表する画家 の一人です。'87年秋、フランスのシャルトル美術館及びイタリ アなどで大規模な回顧展が開催され大反響を呼びました。日 本でも開催の要望も強く、この度シャルトル美術館の全面的な 協力を得て、フランス国内の一流の美術館と個人コレクター、 及び日本のコレクター所蔵の作品の中から、初期のものより、 晩年にいたる代表作60余点を網羅して、“ブラマンク芸術”の 全容を紹介するものです。

本展の開催にあたって、絶大なご尽力を賜ったシャルトル美 術館プレッド館長をはじめ、貴重な作品を快くご出品下さった 所蔵家の方々ならびにご後援ご協力いただきました関係各位 に厚くお礼を申し上げます。
1989年9月

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