茶道名数事典　
監修　小田栄一　森谷尅久
淡交社
定価 ¥ 2800

❈名数と茶道　　　　　　　小田栄一

茶道は綜合文化を基盤として成立している。それではその文化をどのような形で吸収し、同化しているのであろうか。

もちろん名数語は茶道に限って用いられる表現法ではなく、あらゆる芸道において行われる便法ではあるが、ことに茶道における名数の活用は、かの「銘」のそれと同じく大きな役割を果たしているからである。しかも茶道は綜合芸術といわれるだけにその内容はきわめて多岐に亘っており、逆にまたこの名数事典なるものはすべての文化人にとっても有意義な編著であるといっても過言ではないと思うのである。
……、それは人物・歴史・天文・地理・歌道・書道・華道・香道・美術工芸・建築・庭園、果ては一般の日常俚諺などにいたるまで、多少なりとも茶道を学ぶ人々に役立つと思われるものはおおかたこれを包含した。

例えば、
利休は長次郎に楽茶碗の創作を依頼した。…、そのなかから優れたものを七つ選んで「長次郎七種」と呼び……

利休といえば、その高弟から七人が選ばれて「利休七哲」が生まれた。……

このほか利休にまつわる名数として特筆されるものとしては「利休百会」「利休百首歌」「利休七則」など……


他にも四字熟語で有名な「一期一会」「一紙相伝」「十種香礼」……等多数



美品