●『愛の遺産／ジェイン・アン・クレイツ』角川スカーレット文庫

出版社 ‏ : ‎ 角川書店：1995年12月10日初版

文庫サイズ : ‎ 15.0×10.7×1.8cm。494ページ。



●【書籍の中古ダメージなど】▼日焼け変色あります。経年紙質の劣化や保管場所の条件による、本編の天地側面(小口面)や内容ページ誌面のふちまわり中心に日焼け褐色変色が進行しています。写真11～14枚目ほか参照ください。



●【作品紹介&読者レビュー】

海辺に小さなホテルを営むクレオのもとに、孤独な男マックスが訪れた。亡き恩師ジェイスンが残した３枚の絵を探しにきたという。あふれる情熱を秘めながら人を愛することに臆病なクレオだったが、マックスを見た瞬間、甘美な戦慄に貫かれる。彼が、永く求め続けていた“鏡のなかの男”だと確信したのだ…。心に傷を負った男女が織りなす、優しく切ないミステリアス・ロマンス。



幼いころから、両親と別れ里親をたらいまわしにされ、家族や愛を欲することさえあきらめていたヒーロー、マックス。そのマックスが唯一、大事に思っていた仕事の上司兼恩師が死ぬ間際、マックスに「三枚の絵を譲るつもりだから、クレオのところに探しに行け」と、遺言を残す。

クレオを、恩師の愛人と勘違いしながらも、クレオの経営するホテルを探し当てるマックス。



眼鏡をかけていて、温かそうなクレオとその仲間たち。

実はクレオ自身も両親と悲惨な別れをした過去があり、また、今、脅迫されて…。

という滑り出しですが、どんどん話が進んでいきます。

家族を求めながら、その夢がいつも叶わなかったマックスそのぬくもりをあたえてくれるクレオと仲間。



恋愛、サスペンスとありますが、理想の「家族」（血のつながりは関係ない）とはこういうものかも…、と思わせてくれた本です。

他の仲間の恋愛話や、恩師の遺言、ホテルの中での日常の事件なんかもあって楽しめる。



孤児・ヒーローを成功に導いてくれた雇い主が、残してくれた３枚の絵を捜しに、小さなホテルを営むヒロインを訪ね～。ヒロインを雇い主の愛人だと思っていたのは誤解で、身元を明かさず滞在していたと知り、戸惑うヒーロー。孤独なヒーローがいつの間にかヒロイン一派に取り込まれていく、この作家さんではお馴染みの展開。ヒロインへの脅迫と、両親の死の謎のサスペンスと、ストーリー展開はひきこまれる。