「スーパー活性化作戦」
現場からのスマート経営

　地方スーパーマーケットの生産性は低い。このことを示すひとつの例として、セルフサービス協会に加盟している企業の生産性の数値を、この地方スーパーマーケットの数値と置き換えるならば、その数値は、一般企業の生産性の数値と比較して、二分の一にしかすぎない。このことからも、地方スーパーマーケットの生産性、ひいては低能率、低賃金という現状をうかがうことができる。
　スーパーマーケットの理論と、世界にもまれなロヤリティの高い国民性の従業員をもちながら、このような現状を余儀なくしている要因は、単なる設備云々の問題ではなく、むしろスーパーマーケットの理論そのものに、経営体全体をひとつのシステムとして活性化させようとする基本的な考え方と、そのための方法論が欠落している点にあると指摘できよう。
　そこで、この問題に真っ向から取り組み、その経営施策としてここにご紹介するのが「スマート論」である。「スマート論」とは、TQCの応用理論であるとともに、新しい経営理論と、新しい動機づけの理論と、新しいマーチャンダイジング論によって武装された、経営改善のための理論、および方法論なのである。(本文「はじめに」より)
坂本力信、池川勝 共著
定価:1,400円