セイレムの魔術―１７世紀ニューイングランドの魔女裁判

ハンセン，チャドウィック【著】〈Ｈａｎｓｅｎ，Ｃｈａｄｗｉｃｋ〉

飯田 実【訳】

工作舎　1991



アメリカ開拓史に悪名高い〈セイレム魔女裁判〉。この事件は、従来の史観では、〈聖職者による陰謀と、それと戦う市民〉という構図で描かれてきた。しかし著者は、現代の人類学・民俗学・心理学的成果を根拠に、〈魔術は本当に実在し、効力を発揮していた〉という仮説のもと、事件の全貌を洗い直し、その驚くべき実態を明かす。



目次

第１章　魔術

第２章　ニューイングランドにおける魔術

第３章　悪魔の蘇生

第４章　魔女の捕らえ方

第５章　セイレムの魔術

第６章　虚言横行の田舎町

第７章　ドアは開かれた

第８章　魔女狩り

第９章　魔女狩り論争

第１０章　良心の問題

第１１章　見えざる世界のさらなる驚異

第１２章　暗闇の闘争

第１３章　無辜の血を流した罪

第１４章　後世への警告



　1692年、米国マサチュセッツ州セイレムで、無実の人たちが狂った少女たちに告発され、魔女狩りの犠牲となる事件が頻発しました。

　この時に狂気の少女集団の後ろ盾となり、悲惨な魔女狩りを扇動したのは、当時の米国において知識階級を代表するイングリーズ・メーザーだといわれています。

　イングリーズは後にハーバード大学の総長となり、大英百科事典は彼を、ベンジャミン・フランクリンと並ぶ偉大な米人と記しているそうです。

　そんな彼が、魔女妄想をヨーロッパからセイレムに持ち込み、架空の魔女への恐怖や不安をあおり立て、狂った少女たちのよる魔女狩りをエスカレートさせたといわれています。というような実情が、詳細に記述されていますが、余りの悲惨さに息苦しくなるのをこらえて読みました。（レビューより）



裏折り返し部分にボールペンの後が見られます。

ご理解ください。


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