「日本の会社員はなぜ「やる気」を失ったのか 1044;1044」

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#渋谷和宏 #渋谷_和宏 #本 #社会／経営



【読後感想・連想】

バブル崩壊後、一番コストの掛かる人件費から着手したのは景気後退の始まりでした。賃金の低迷で活力の源まで失ってしまいました。労働分配率は先進国で最低でした。これは徹底的なコストカットによる負のスパイラルが原因と思います。「成果主義」を打ち出した企業も多く、これこそコストカットの本質です。コストカットし販売価格を引き下げ、競争力を維持する手法で、生産性を低下させてしまう原因の一つと考えられます。

人にもモノにも投資せず、目先の利益のみ追求する経営は長く続けられています。輸出企業は政府による円安政策にも助けられ、弱体化していきます。



付加価値の高い魅力的な商品を生み出せていない日本のメーカーは過剰な機能を付けている高額な商品（家電等）を作っても売れません。ＡｐｐｌｅのｉＰｈｏｎｅ、ダイソンのインテリアにもなる羽無し扇風機・空気清浄機、アイロボットのロボット掃除機ルンバ、Ａｍａｚｏｎのスマートスピーカー等々は高価でありながらも売れています。これらの会社社員は日本メーカーよりも遥かに高い給料をもらえる訳です。品質が良く安い商品を大量に売っても利益率が悪いでしょう。「一人当たりＧＤＰ＝一人当たり生産性」が低い理由です。



近年、対ドルで２５％以上も円安で自動車メーカーは相次ぎ売上も利益も過去最高を発表されています。これは見掛け上のものに過ぎず本質ではありません。ドルベースで換算すれば結果が明らかです。



情緒をコントロールできずに喧嘩の口調で職場の雰囲気を壊し、やる気を消してしまう傾向があります。人間関係が悪いことで、心身ともに病んでしまうケースも多く聞かされています。



内部留保は膨大ですが、設備投資と開発に割り当てられる予算は諸外国と比較するとかなり少ないことが統計データで分かります。守りの経営は衰退の危機となっています。



経営陣・上司から過剰な監視、過密なスケージュール、加えて無意味な会議で社員のやる気を切り蝕んでいきます。近年、実験データの改ざん・事実異なる記述が頻繁、日本の製造現場は危機状態に陥ています。