紙ジャケ　Unpublished Clara Haskil Vol.2　Vienna So　輸入盤　

J.S.Bach「トッカータ ホ短調 Toccata en mi mineur（e-moll ）, BWV 914」。

ブカレスト出身のルーマニアのピアニストClara Haskilの演奏の中で、
最も好きで感銘を受けた曲のひとつです。
彼女のこの演奏からは、J.S.Bachの音楽から総じて感じられる
不撓不屈の精神エネルギーや魂が、華やかに顕現されている気がするからかもしれません。

そして、toccataという鍵盤楽器のための楽曲形式に初めて興味を持ったものです.
“もともとイタリアにおける自由な形式による即興的な楽曲。
名人芸的な、速い音階的なパッセージを特徴とする作品が多い。
「トッカータ」の名称は「触れる」という意味のイタリア語の動詞toccareに由来するが、
これは恐らく、曲種が「試し弾き」から発展したことを示していると思われる。”
（渡邊順生氏「The CEMBALO - Its History and Music vol.2」のブックレットより抜粋）
楽曲形式の生成における、初期の段階では
プレリューディウム Praeludium、リチェルカーレ Ricercare等と呼ばれていたそうです。

楽曲解説の中には、フーガfugaは、真作であるには違いないが、
ナポリ音楽院Conservatorio di musica San Pietro a Majellaに伝わる古い手稿資料に
そっくりの主題を持つfugaがあり、J.S.Bachはこれを借用したと見られている、とありました。

12月７日は、Clara Haskilの祥月命日。Bruxelles/Brussel で聴いた日々を偲んで。

ｚ６３－６０