ベートーヴェン

ヴァイオリン協奏曲ニ長調 op.61



レオニード・コーガン（ヴァイオリン）

指揮：コンスタンティン・シルヴェストリ

パリ音楽院管弦楽団

録音：1959年ステレオ（アナログ／セッション）



豪快なシルヴェストリの指揮、そして清潔に、しかし過酷なほどの表現意欲で突き進むコーガンのヴァイオリン。春風のように爽やかなベートーヴェンのコンチェルトに潜む力感や鋭さを改めて浮き彫りにする演奏です。ヨアヒムのカデンツァを披露しています。



コーガンとシルヴェストリという、不思議な組み合わせの一枚。しかもオケがパリ音楽院管弦楽団ということで、演者の国籍が多国籍。でも聴いてみるとコーガンの個性が存分に発揮されていて、しかもシルヴェストリのサポートも十全。堂々としたベートーヴェンであり、羽目を外した爆演を期待していると肩透かしを喰らいます。なので、へんてこりんな音楽を堪能したい人には不向きですけど、おとなしく、弱々しい、コンクール的な貧弱な音楽とは無縁の、実に男らしい演奏なので、がっちり堪能したい方にオススメします。



このコーガンとシルヴェストリによる演奏は別格です。実に面白い。コーガンのヴァイオリンの響きってとても清潔な感じがします。聴き手の心にまっすぐに響いてくるみたいで、まるで鋭い刃物で音楽を切り開いてゆくような感じがします。聴いている側としても背筋をピンと伸ばさなくてはいけないような気もします。このコーガンに相対するシルヴェストリの指揮によるオケがとにかく凄い。真剣そのものにオケをドライヴしててまさに豪放磊落。第１楽章や第３楽章での打付けるような伴奏、コントラバスの強奏など、まるで棍棒を持って指揮しているのではないかと思えるほどの力の入れようです。これによってコーガンも気合を入れ、より一層ヴァイオリンの切れ味を鋭くして対抗しているようにも思えます。清濁あわせ持った緊張感があり、一粒で２度美味しいというのは違うかもしれませんけど、とにかく飽きることのない演奏です。　



国内盤【廃盤】【希少盤】帯付き　34

盤面微すれありますが再生問題無し



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