モーツァルト

①クラリネット協奏曲イ長調 K.622

②協奏交響曲変ホ長調 K.297b

クロンマー

③2つのクラリネットのための協奏曲変ホ長調 op.35



ザビーネ・マイヤー

(バセット・クラリネット①、クラリネット②)

ディートヘルム・ヨーナス(オーボエ)②

ブルーノ・シュナイダー(ホルン)②

セルジオ・アッツォリーニ(ファゴット)②

ヴォルフガング・マイヤー（クラリネット)③

指揮:ハンス・フォンク

ドレスデン国立歌劇場管弦楽団 ①②

指揮:イェルク・フェルバー

ヴュルテンブルグ室内管弦楽団 ③

録音:1988年5月、6月①②、1990年③



ザビーネ・マイヤーのクラリネットは、まろやかでコクのある響きで、ふくよかに歌う演奏です。2曲ともゆったりしたテンポを基調に、モーツァルトの傑作をさらに美しく表現しています。クラリネット協奏曲はバセットクラリネットで演奏されていますが、普通のクラリネットより低域の音が出るように改良されたもので、モーツァルトの時代から使用されていたものです。 ②のオーボエ、ホルン、ファゴットとのアンサンブルもとてもバランス良く親密な掛け合いです。録音も最上級の素晴らしさです。聴く人を幸せにする演奏です。オリジナルは①②ですが、本盤は③が追加された徳用盤です。③のクロンマーは馴染みの少ない作曲家ですが、クラリネットのための作品を多く作曲しており、この曲は明るく祝典的な雰囲気を持ちながら、クラリネットの名技も楽しめる佳曲です。



マイヤーの少し憂いを帯びたクラリネットの音色は本当にモーツァルトの名曲によく合っていると思う。とくに晩年の傑作K622はどの楽章をとっても、澄み渡るかのような薄暮の雰囲気を漂わせる演奏で、まさに魂の浄化されて神の国へと旅立つモーツァルトの精神を感じさせる超名演といえよう。クロンマーのクラリネット２本の協奏曲の息の合った並走ぶりにもわくわくさせられます。



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