原田知世の2010年4月に行われたLIVE TOUR『eyja』の最終公演めぐろパーシモンホールでの模様を完全収録したDISC1が82分。
細野晴臣をゲストに迎えたビルボードライヴ東京での映像3曲、ライヴオフショット、リハーサル風景、ショートフィルム、MVを収録したDISC2が47分の2枚組DVDです。
前年に発表されたアルバム『eyja』は非常にアーティスティックなものでしたので、この楽曲を中心とした前半は、とてもコンセプチュアルな演奏と舞台演出になっていて、とても美しく、クールかつ尖ったものです。
後半の『地下室のザジ』では、まさに小悪魔的な原田知世のあまりに可愛い振り付けに目が釘付けです。
そして、この後は前半とは打って変わって、とても優しい表情の温かいライヴとなり、名曲『くちなしの丘』も、このバンドメンバーならではの音が楽しめます。
ラストは、伊藤ゴロー氏のアコギ1本でのボサノバの『時をかける少女』。
このDISC1は、ライヴ会場での収録ですが、それをさらに映像作品にまで高めた様な素晴らしさです。
そして、DISC2も、それに劣らぬ魅力的なものです。
細野晴臣をゲストに3曲歌われるのですが、原田知世のリクエストにより、なんと細野さんがライヴで初披露となる『ファム・ファタール』を歌ってくれます。
そして、ロッカバラードのリズムで歌われる『エンド・オブ・ザ・ワールド』での2人のデュエットの相性の良さ。
他にも『eyja』のレコーディングを行なったアイスランドの美しい風景も収録されています。
この2枚組全体で、アルバム『eyja』のコンセプチュアルな音楽だけにとらわれない、全体としてのアート作品になっています。
いまだに古びるどころか、この後も進化し続ける原田知世の女優とは全く異なる音楽家・アーティストとしての魅力が楽しめる傑作です。
2017年ユニバーサルミュージックより発売
全28ページカラーのフォトブック付き