「精神障がいのある親に育てられた子どもの語り 困難の理解とリカバリーへの支援」
蔭山 正子 / 横山 恵子
定価: ￥ 2500

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小口くすみあり

『精神障がいのある親に育てられた子どもの語り 困難の理解とリカバリーへの支援』は、精神障がいを持つ親のもとで育った子どもたちがどのような困難に直面し、どのようにそれを乗り越えてきたのかを深く掘り下げた一冊です。蔭山正子氏と横山恵子氏の共著で、専門的な視点からだけでなく、当事者の声にしっかりと耳を傾ける形で、実体験をベースにした具体的な事例が紹介されています。

本書の魅力は、単なる研究書や理論書ではなく、リアルな「語り」に重きを置いている点です。親の精神障がいが家庭や子どもに及ぼす影響は、一般的には見えにくく、語られることも少ない分野です。しかし、本書ではその困難を子どもたちがどのように感じ、どのように成長し、時には支援を受けながらどのようにリカバリーを果たしてきたのかが丁寧に描かれています。

さらに、子どもたちが直面する課題を理解し、適切な支援を提供するためのアプローチやリカバリーへの支援策も提案されています。これは、福祉や教育、カウンセリングなど、支援者として関わる方々にとっても、非常に実践的で役立つ内容です。

また、精神障がいを持つ親を抱える家庭の現実に対して、周囲の理解やサポートの重要性も強調されています。この本を読むことで、私たち一人ひとりが支援の輪を広げる一助になるかもしれません。

「小口くすみあり」という使用感があるものの、内容自体は非常に価値のあるもので、専門家や当事者、そしてその周囲の人々にとって、ぜひ手に取ってほしい一冊です。