全国算数授業研究会会長　坪田耕三氏（筑波大学附属小学校）が本書で次のように述べられています。
「算数の授業は、どのようになされるべきなのだろうか。しっかりと計算の答えが求められればそれでいいという人もいる。円周率は3.14だと覚えていればいいという人もいる。しかし、我々はそうは考えない。分数のわり算は、なぜ後ろの数をひっくり返してかけるのかが納得されるようにしたい。円周の直径に対する割合がいつも一定になっていることを発見させたい。それこそが円周率だと授業をしたい。そのためには、計算だけの訓練や、きまりきった型通りの『伝達型』の授業だけでは、だめなのである。目の前にいる子どもたちが先生と一緒になって新しいものを考えていく『創造型』の授業づくりを工夫しなければならないのである。先生の授業観を変えなければならない。授業は、先生が問題解決についてしっかりした哲学をもってこそいい展開ができる。本書は、今、算数の授業で何が大切かを問い、現在の算数授業の問題点を正面から指摘し、その改善策を語るものとなった。」
　算数の授業をより良くするためのヒントが満載です。特に、「私の計算指導」における11人の先生方の実践例は、大変参考になります。

◆ 算数授業研究シリーズ13
「今、算数の授業で何が大切か
ー計算練習より考える力をー」
企画・編集：全国算数授業研究会（会長　坪田耕三　筑波大学附属小学校）
東洋館出版社（2004年8月7日初版第１刷）

※線引きや書き込みをしているところもなく、全体的に大変きれいです。