「満開の栗の木」
　訳者: 柳沢 由実子

　事業で大成功して、なにもかもを手に入れた実業家アンダシュは、強烈な空虚感から自殺未遂をしてしまう。
　病院を無断で抜け出した彼は、スウェーデン北部の寒村にある、ヘレ-ナのホテルにたどり着く。
　ヘレーナも望まない離婚から、苦々しい想いのなかで、一人娘を育てていた。
　アンダシュは自らの素性を隠しながら、このホテルで働くことになる。

　ヘレーナとアンダシュ、ビートルズのヴィンテージギターを所有する謎の男・ヴェルネル、ヘレーナの隣人アンナ＝カーリンなど、登場人物のだれもが満たされない心を抱えながら、その足りないピースを探して、この村でもがくのだが・・・・・

　迂闊でした♪
　ワタクシ“K・アルヴテーゲン”はミステリ・サスペンス作家だと思い込んでいました♪
　でもね、違いました♪
　人間の謎を追い求める“純粋な作家”なんですね❣️
　様々な“謎”・・
　老若男女、家族の愛、夫婦の在り方、隣人、宗教、偏見、自己憐憫、自殺願望・・・の結論は出ないのですが、その複雑さに眩暈がするワタクシです♪
　間違いなく“エッセンス”が満ち溢れている小説かと♪
　お楽しみあれ♪
　
　古書レベルとしての本の状態は極めて良好かと♪