古書店にて購入
個人蔵書印押印有

まえがき
世界各国史の一冊として日本史を編集するよう頼まれたとき、実のところ私は気が進まなかった。というのは、日本史の概説書は、繁簡詳略、おびただしい数が出版せられているので、いまさら何か特色のあるものを出すのは、きわめて困難だと思ったからである。けれど、各国史の中で、日本史だけないのもおかしいという出版社の意見にも、もっともと思われる所もあるので、ついに引受けることとなった。そしてどこで特色を出そうかと考えた末に、到達したのは、だいたい今の概説書は、大戦前後に学窓を出た、若い、元気のよい人が書いているものが多いから、それより一
まわり前の人々、具体的には昭和の初めに大学を出た、学問の円熟大成の域に達した人々に、執筆を願おうということであった。これらの人々は、各専門分野の権威として学界に重きをなしており、社会的にも忙しい位置におられるので、なかなか承諾を得ることはむつかしいと思ったが、幸いに私の意図を説とせられ、予定通り原稿を頂戴することができたのは、私の無上の喜びとする所である。私は編者として、それらの原稿に目を通し、脈絡統一をつけるべきであるが、力が足りないために、十分の結果をあげていないかもしれない。もし、そういう所があれば、　【中略】


古物商許可証
第 621272201772号 交付平成22年10月18日 大阪府公安委員会