惜しみなく使える、使い勝手の良い堺の一振り

出刃包丁 堺武守 刃渡り約 15cm です

中古品をメンテナンスの上出品しています

鋼材は不明ですが、工業用刃物材と思われます。
最初ヒラの光沢からステンレス系の全鋼かとおもったのですが、研ぐと表面にサビが浮くので調べてみたら、合わせ、というか工業系の刃物材のようです

キレイに鋼と地金が融合しています

裏スキはないです。もともとはベタでも身離れがいいように裏には細かな無数のみぞがありましたが、今後のメンテナンス性も考え、落として刃線あたりの裏押しを作ってみました

表の切刃あたりまで鋼があるようなので、ベタで裏を研いでも鋼がなくなる可能性は少ないと思われます

鋼は硬すぎす柔らかすぎず丁度いいです

素直に研げ、返りも落としやすいけれど、ある程度弾力はあります。このあたりは工業系鋼のいいところだと思います

差し込み部のロウ埋めと、持ち手の防水もしました。持ち手は小判型です

堺刃物のシールは剥がそうともおもいましたが、出所の参考になるので元のままにしてあります

220、400、 1000、3000、8000と砥石をあてました。切刃の角度で研ぎ抜いています

●錆
一般の18-8ステンレスも傷口やもらいサビから錆びますが、この包丁はそれよりも錆びやすいものです。とはいえ、調理中に布巾で水分をとらないといけないほどではなさそうです

特殊な鋼材を使っている場合を除いて、錆にくさと切れ味は反比例するもので、それらの間をとっている品だと思います

●手入れの方法
切れが鈍ってきたら1000番位の砥石で、切刃の斜面に沿ってカエリが出るまで研ぎます

2000番かそれ以上の砥石で裏の平らな面を平らなまま研ぎ、カエリを落とします

裏側は真っ平らな砥石で研ぐのが理想です、砥石の面の調整が難しい場合は、電着ダイヤ砥石を使うといいと思います。また、裏はベタになってますので、刃の近くを押さえて刃先が当たるように研ぎます

茶色い錆が出てきたら、クレンザーや研磨スポンジ、紙やすり（1000番以上）でもいいので、早めに落とすことをオススメします

砥石以外でメンテナンスする場合は、まな板やゴム板などに刃先を密着させて手を切らないように注意してください

以上の説明には個人的な見解を含みます、ご了承下さい

#出刃包丁 #堺