彬子女王がオックスフォード大学を卒業してから住まうようになった京都の街の魅力を、寺町通や丸太町通など通り毎に綴ったエッセイ「京都 ものがたりの道」の出品です。
私が読み終えた中古ですが、折れや曲がりのない美品です。
もともと2014年4月から2016年3月まで毎日新聞に連載されたものですが、それに加筆して2016年10月に刊行されたものを更に加筆補整して2024年7月に新装版として出版されました。
「赤と青のガウン」が大当たりしたので二匹目のドジョウをつかまえようとしたのでしょう。
結果私が釣れました。
総ページ数204。
初版発行2024年7月20日。
この冊子は2024年10月30日刷りの第11版です。
ドジョウはやっぱりいた。
この品はご不在でもポスト投函されるネコポスで発送します。

彬子女王によるとオックスフォードと京都は似ているとのこと。
どちらも大学を中心とした学生の街で若者が多く、長い歴史を持つが故にそれに沿った名が全ての通りに付けられている、と。
なので最後の通りはオックスフォードのマートン・ストリートが収められています。
他はぜんぶ京都です。
このエッセイの連載中に、彬子女王はよく京都在住の人から声を掛けられたそうですが「そんなふうに自分の街をみたことがなかった」と言われることが多かったそうです。
これは自分が暮らす場所ほど見えなくなる「灯台下暗し現象」で、彬子女王が東京生まれの移住者だからこそ気付ける点が多いことの表れです。

私も現在暮らすところで育ったのではありません。
全く無知のまま移住してきたのですが、地元の方々ほどこの街、岩手県盛岡市の魅力に気付けていないことに驚きました。
他の地で暮らしたことがないと、自らの街の美点にはなかなか気付かないもののようです。
水と空気がきれいで空が広く、強固な地盤に恵まれ歴史ある建造物が多数遺る、観光地擦れしていないこの地の環境を「なんにもないとこだよ」と真顔で言うのですから。
街にはそれぞれ固有のリズムがあります。
これは大都市だから速い、田舎だからノンビリしてる、とは限りません。
札幌は東京都心より速いし、名古屋は結構ゆっくりです。
彬子女王も「私には東京はテンポが合わない」と書いています。

この出品のBGMはジル・ブライソンとローズ・マクドールの「シンス・イエスタデイ」です。
ご質問はお気軽に。