ブラームス

ピアノ協奏曲 第1番 ニ短調 作品15



アルフレッド・ブレンデル(ピアノ)

指揮: クラウディオ・アバド

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

録音：1986年9月6-9日 ベルリン



ブレンデル が最も充実していた頃の演奏で、その言葉を裏付けるかのように、この曲に対する彼の愛情と情熱がひしひしと伝わってきます。とはいえ知的なブレンデルだけに、あざとい演出や恣意的な表情付けは皆無。にもかかわらず、青年ブラームスの熱い思いと息遣いまでが自然に感じられるのがなによりも素晴らしいです。濃厚なロマン、憂愁と重厚のブラームスとは一味違う抒情性といえばいいのか、それはもう見事というよりほかありません。透明感のある多彩な音色も素晴らしいです。アバド指揮のベルリン・フィルのオーケストラとまろやかにブレンドされていて、その芳醇な響きには抵抗しがたい魅力がある。1987年レコード・アカデミー賞受賞盤。同じコンビで5年後の1991年に第2番を録音しています。



とにかく、オーケストラがものをいう作品なので、まずベルリン・フィルのオーケストラが魅力的。厚みのあるオーケストラに、叩き込まれるブレンデルの透明な音がなんとも素晴らしい情景を醸し出しています。アバドの指揮もまったく的を得ていて、ほとんどこれ以上望めない出来。１楽章は中庸のテンポで、この曲の暗く、激しい情熱を見事に表現しているし、２楽章の葬送曲風なところはブレンデルの、透明感溢れる音でまるで何かを独白するかのような情感、3楽章は若さという情熱をもてあますブラームスの焦燥感が見事に表現されています。



ブレンデルのタッチの多彩なこと！それでいて決して線が細くならず、熱い音楽である。アバド＆ベルリン・フィルも素晴らしい。強力な弦、チェロとベースは言うまでもなく、ヴィオラのガシガシした刻みが効いているのが第1楽章冒頭。また第2楽章での木管とピアノの精緻なアンサンブルには耳が溶けそう。オケ全体に余裕があり、あらゆるところにコントロールを効かせつつ、ピアノとともに大柄な音楽を作っている。



輸入盤【西独盤】9

盤面外周近く無音部にすれありますが再生問題無し

オリジナルジャケット盤



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