「ペリー提督と開国条約」

今津 浩一

定価: ￥ 2381(税別)



※天に薄っすらシミあり。書き込みありません。



#今津浩一 #今津_浩一 #本 #歴史／日本史

A735-1459M1980



時は19世紀である。世界は植民地獲得競争の時代であった。東アジアにおいても、先行していたのはイギリスであった。ペリー提督はイギリスの植民地獲得の行動と、その海軍の動きに注目していた。

このような時代背景の中で、アメリカと日本が出合った。そして、日本はそのアメリカの圧力に直面したのであった。アメリカは、どのような考えとビジョンで日本に向かい合ったのであろうか。また、日本はどのような戦略でアメリカに対応しようとしたのだろうか。

囲碁の世界に、「着眼大局、着手小局」という言葉がある。戦いに勝つにはどうしたらよいか。そのためには、大きな構想(ビジョン)を骨太に描いた上で、その構想を実現するための手立て、方策はきめ細かく、相手の対応を考慮に入れて組み立ててゆくことが勝利への秘訣である。大切なことは、このコツをはずさず、大きな目的を忘れず、丁寧に相手と対応することである。

本書では、第1章において幕末当時の日米がそれぞれ描いていた「骨太の構想(ビジョン)」を明らかにし、両者がどのように交渉したのかを解き明かす。そして、第2章では、締結された「日米和親条約」がどのようなものであったのかを考察する。著者はアメリカ公文書館から入手した6通の史料を厳密に比較した。合意して条約を締結したのであるから、日本語と英語の条約文は同じ内容であるべきだったが、実は、いくつかの相違点が存在する。従来、この相違点は日本の通訳官の誤訳であるとされてきた。しかし、それは真実なのか？いくつかの相違点の内、「領事駐在規定」にしぼって、入手した史料による相違点を確認した。なぜ、日米間の条文にそのような相違が発生したのかを調べたい。とりわけ、外交を担当した実務担当者に光をあてて細かく史料を比較・検討し、時間軸を追って記録を探ってみたい。



サイズ A5判／ページ数 236p／高さ 22cm

商品コード 9784990222826