『評伝 北一輝』
著：松本健一

出版社：大和書房
刊行年：1976年
ページ数：295ｐ
サイズ：四六判ハードカバー

浪漫的革命家北輝次郎は、みずから社会民主主義であり、愛国者であると意識することによって、明治国家に対してもっとも＂革命的＂でありえた。

そしてまた、その革命が維新革命の、大化改新の、プラトンの、孟子の、理念に拠るというかたちをとったがために、もっとも『浪漫的』でもあった。

これはむろん、北の自己矛盾だったはず。

彼はしかし、この自己矛盾のゆえにこそ、思想家としての生を刻みはじめねばならなかった。。。



浪漫的革命家北一輝は明治三九年、渾身の処女作『国体論及び純正社会主義』をひっさげ、【中央】に登場した。

その説くところは明治憲法の徹底した＂読み破り＂により、明治国家の正統的原理たる国体論の破壊、いわば国体論=革命論の提示にあった。

本書は、北の革命思想の特質と全貌を明らかにし、発禁、挫折ののち＂亡命としての支那革命＂に向かう二八歳の秋までを追尋し、北研究の質的展開を画す一里塚。

ちょい難解な書籍。でも、おすすめ。

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