■著者は国民的人気を博したシェフ
■古き良き素朴な料理がベース
■発行はブリタニカ、文芸要素を感じる

著者はマルケ州の生まれ。イタリア伝統料理を歌いあげる詩人と呼ばれ、国民的な人気を誇ったシェフ。

そんなカリスマが、現代イタリア料理の源泉である、古き良き農民の料理を紹介したいと執筆したのが本書。懐かしさと温かさに満ちた料理が集まっています。

ラグー、つまりミートソースが基本と考えるシェフの一品からスタート。材料表が笑えます。牛スネ肉分量は「1塊」。理想は1人あたり200グラムですが、お財布の中身と相談して決めてください、とあります。シェフの優しさに微笑んでしまいませんか？

トスカーナの伝統的なスープ、農夫のスープのアクアコッタ、リッボリータ、ポレンタなど、素朴な料理が続きます。イースターのお菓子などドルチェの章もあります。庶民の暮らしに根付き、伝わってきたシンプルなおいしさの145のレシピを紹介します。ハーブの達人としても名高いシェフらしく、巻頭には写真付きで詳しく説明しています。

日本人による料理本ではまず見られないのが、第7章の「栗どんぐりきのこ」です。イタリアでは小麦粉の不足を栗粉で補っていた歴史背景から、栗は主役級の役割を担っていたのです。栗と米のスープ、栗のプディング、栗と豆のスープなど栗料理が8種類も載っています。

文芸書、翻訳書に強いブリタニカらしい選択眼が、このノスタルジーを感じさせる良書の日本語化を可能にしました。文字のみのレシピ本の良さを解する方におすすめです。
なかなか見かけないレア本。

▪️状態

背の角、カバー下端にヨレ、スレがありますが大きな傷みはなく、中もきれいです。

中古本にご理解のある方に。



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「シェフ・トトのイタリア料理」
第１章　調味料とハーブ、ソース
第２章　スープとパスタ
第３章　ご馳走に変身の肉料理
第４章　卵料理と魚
第５章　野菜とハーブのひと皿
第６章　余り物を活用
第７章　栗、きのこ、どんぐりの料理
第８章　デザート（イタリア伝統菓子や郷土菓子、行事菓子（謝肉祭の揚げ菓子やケーキ他）

#ロレンツォ・トト #森田朋子