マーラー　　2枚組

①交響曲第7番ホ短調『夜の歌』

②5つの歌

「私はこの世に忘れられ」

「真夜中に」

「浮き世の暮らし」

「私は快い香りを吸いこんだ」

「トランペットが美しく鳴り響くところ」



指揮：オットー・クレンペラー

ニュー・フィルハーモニア管弦楽団

クリスタ・ルートヴィヒ（Ms）②

録音：1968年①、1962年②　ステレオ（セッション）



マーラーの第7番は演奏時間約100分(普通の演奏は80分くら)、異様に遅い演奏です。クレンペラーはこの曲の初演にも立ち会ったとのことですが、初演もこんなに遅かったんでしょうか？ しかし、この遅さこそこの曲の本質です。この曲の魅力を理解するにはこのクレンペラー盤を聴くことが最も近道です。2017年の名曲名盤500では第3位にランクされています。このCDのこのマスタリングの情報量の多さを評価される方も多いです。



クレンペラーはやはりとてつもない指揮者だ。失速寸前のテンポを指摘するのは簡単だが、執念とでも言うべき骨太な音楽づくりが聴き手を呪縛。オーケストラが彼の美学に心うたれ(降参し)、完璧に寄り添っているのも圧巻。



第7番はマニアには有名な問題演奏(?)で、第1楽章冒頭と第5楽章冒頭のトレモロが克明に聴こえる点に象徴されるように、とにかくどこまでも“見える(聴こえる)”演奏になっているのがポイント。良心的な指揮者たちがあれほど追いかけるのに必死になる執拗なまでの表情指定もおおむねオミットしてしまう図々しさは、マーラー自身のリハーサルに立ち会ったという自信の表明なのでしょうか？賛否両論まっぷたつの問題演奏ではありますが、第7交響曲に興味を持つ聴き手にとっては避けて通れない刺激に富んだ内容を持っていることは間違いない。



５つの歌曲のセッションの直後には名高い『大地の歌』の女声楽章が収録されており、そこでの歌唱と同じく、クリスタ・ルートヴィヒの歌唱は実に素晴らしいもので、ほの暗い声がマーラーの込めた真情を美しく描きあげているのが印象的。クレンペラーによる伴奏も声部情報の多い立派なもので、歌と一体になった表現力がさすが。選曲も素晴らしいです。



国内盤【廃盤】帯付き(少し色褪せあり)

盤面disc1に少しすれありますが再生問題無し

プラケース少しすれあり　24



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