養老 孟司 ようろう たけし
1937年11月11日 生まれ
医師、医学者、解剖学者、東京大学名誉教授。医学博士。神奈川県鎌倉市出身。
『ヒトの見方－形態学の目から』筑摩書房、1985年
『脳の中の過程－解剖の眼』哲学書房、1986年 「脳の見方」ちくま文庫2004年
『形を読む－生物の形態をめぐって』培風館、1986年
『からだの見方』筑摩書房、1988年
『解剖学　人体の構造と機能』
『唯脳論』青土社、1989年
『涼しい脳味噌』文藝春秋、1991年
『カミとヒトの解剖学』法藏館、1992年
『脳に映る現代』毎日新聞社、1993年 「脳の冒険」三笠書房
『解剖学教室へようこそ』筑摩書房
　　・・・など多数

本の解剖学1
脳が読む
養老孟司著
法蔵館　1995年1月第2刷発行
四六判　定価1,800円　256P

　著者による、脳に関する63冊の読書感想と随筆10編。
三島由紀夫『金閣寺』
主人公の少年の父親の死、「死体は重くなり、生者よりもその存在感を増す」なぜか、霊魂に重量があるとすれば、負の重量でしかない、だから、魂が肉体を去ると、肉体はより重くなる。文武両道とは、死ぬと体から魂が離脱する、という二元主義的観点と並行している。三島の後期には言語が、言語に関わらない肉体への干渉を停止し、肉体は二つに分裂する。
著者は職業柄、裂けた肉体をみる。それには、肉体は死んでいなければならない。だから、それが三島の最後の姿になる。その意味で、最後の姿は、きわめてつじつまがあっている、というほかない。

ジョン・ブロックマン編『意識の進化論』
意識というのは、脳が自分をみている監視装置とも考えられる。なぜなら、意識とは、自分が何をしているか、何を考えているか。それを知っていることだからである。人は社会的動物であり、社会のなかでは、他の人を知ることが必要となる。知ることが社会のなかでは有利になったからではないか。
＊なかなか難しい本、養老先生があまり丁寧に解説していない箇所多し。


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