有田焼の窯元において、技術、絵付全てにおいて最も素晴らしいと感じる貴祥窯の掛け分け 柿右衛門様式 濁手 陽刻唐草 染付牡丹唐草 桔梗縁小鉢を出品します。

今回紹介する小鉢は一見するとただの小鉢だと感じてしまう方もいるかと思いますが、技法が多く使われている小鉢です。

未使用品です。サイズは写真をご確認ください。

まず貴祥窯は、初期伊万里、延宝、元禄といった古伊万里を忠実に再現している窯元です。
本作品は1690年～1730年の元禄期にあった牡丹唐草を瓜二つに描いた、呉須の色から絵付まで見事に描いた素晴らしい作品です。

胴部と見込をよく見て頂けると、胴部の釉薬は白磁、見込は透明釉を使っています。これは掛け分け技法といい高等技術です。
掛け分けとは、素地に2種類以上の釉薬を重ねず施釉する技術です。釉薬同士の相性も考えなければなりません。さらに掛け分けをした際の撥水加工部分がまったくわかりません。

さらに胴部全体に渡る陽刻で唐草文様を入れています。陽刻とは素地に文様を彫り浮かび上がらせる技術の事です。唐草文様を浮かび上がらせています。

そして桔梗縁に口錆をつけ白磁のダラっとした印象を引き締めています。

牡丹唐草文様はまさに元禄期に描かれた運筆といって良いほど江戸時代の職人と同じ技術をもっています。これは転写ではありません。柴田夫妻コレクションにある牡丹唐草と見比べて下さい。本物そっくりです。

呉須の発色もとてつもなく良く、天然呉須でもない合成コバルトで江戸時代の呉須を再現できてしまうことも驚きで、呉須、釉薬、絵付、技術を併せ持たなければ、この小鉢が出来上がることはないとわかると思います。

たかが小鉢とみるか、名食器とみるかは人それぞれではありますが、私はこれほど意気込みを感じる小鉢は初めてです。

銘がなければ古伊万里と間違えてしまうほどの技術です。柴田夫妻コレクションで有名な柴田夫妻が実際に見られた時唸ったほどの作品です。
初期伊万里や古伊万里も新品だった頃は、このような感じだったのでしょう。


よろしくお願い致します。


素材···陶磁器/焼物

ブランド···伊万里焼・有田焼

アイテム 種類···小鉢