【商品説明】
鎌倉時代史の研究で知られる歴史学者・安田元久先生（1918-1996）による著作『くわしい日本史の新研究』の出品です。
安田先生は、北海道大学や学習院大学での教鞭を経て、学習院大学学長や日本古文書学会会長なども務められました。
本書では、検定教科書やその他学習参考書のように受験対策を第一に見据えるのではなく、歴史事象をよく理解し、深く考えることを目指したと冒頭で述べられています。
実際に読んでいて、たまに話が脱線して面白い歴史のエピソードを話してくれる先生のように感じました。

昨今の教科書や参考書とは比にならない文章量で、その内容の濃さから受験用ではないと評されることもあるかもしれません。
しかし、歴史（もちろん日本史だけでなく世界史も）を単なる暗記科目と捉えず、歴史がどのように織り成されていったのかを考えることは、現代の諸問題を考える上でも重要だと思います。
受験を控え、記述試験対策をしたい学生だけでなく、改めて日本史を学び直したいという方にとっても面白い一冊だと思います。
私は高校生の頃にこの書籍を見つけ、検定教科書では語られていない歴史上の（裏？）話を読んで魅了されました。
ただし、非常に魅力のある一冊ではありますが、初版刊行から50年以上経っており、内容のアップデートがされていないという点が、この書籍を今の学生にオススメしにくいところです。

前作『資料対照 日本史の新研究』の増補・修正版で、なおかつ今回出品したものは３改訂版であるため現状の「最新版」ではあると思います。
現在、洛陽社は恐らく出版事業を停止しており、今後の復刻もあまり見込めないため、この機会にぜひいかがでしょうか？

【状態について】
古書としては比較的綺麗な状態を保っていますが、本紙、カバーともに少し焼けが見られます。
購入時から、50頁辺りまで所々に黄色のマーカー線がありますが、経年で色褪せているので通読には問題ありません（写真⑭参照）
落丁や破れは無く、コレクション用にも向いているかと思います。

奥付に著者検印があります。


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