剣と清貧のヨーロッパ―中世の騎士修道会と托鉢修道会

佐藤 彰一

中公新書　2017



俗世間を離れ、自らの心の内を見つめ、修練をはかる修道院。12世紀、突如としてその伝統から大きく離れた修道会が生まれた。騎士修道会と托鉢修道会である。かたや十字軍となって聖地や北方、イベリア半島で異教徒と戦い、かたや都市のただ中で貧民の救済にラディカルにつとめた。これら「鬼子」ともいうべき修道会はなぜ生まれ、どのような行路をたどったのか。各修道会の戒律や所領経営などにも注目しながら通観する。



目次

第１章　十字軍遠征と騎士

発端

　贖罪としての十字軍

　騎士修道会の出現ーテンプル騎士修道会

騎士とは何か

　戦士から騎士へ

　騎士身分の成立

　殺人ではなく悪の抹殺である

第２章　騎士修道会の戒律

戒律の系譜

戒律の内容

テンプルの慣習律と会則

騎士修道会の特権

第３章　国際金融と所領経営―テンプルとホスピタル騎士修道会

騎士修道会の組織様式

所領の形成と経営

騎士修道会と為替技術

テンプル騎士修道会の終焉

第４章　国家としての騎士修道会―ドイツ騎士修道会

北方の異教徒の世界へ

征服地の開発と経済組織はさ

ポーランド王国の封臣へ

第５章　レコンキスタの旗の下に―イベリア半島の騎士修道会

イベリア土着の騎士修道会

騎士修道会と社会

所領経営と植民

海外進出と騎士修道会

第６章　ヨーロッパの都市化と富の行方―托鉢修道会の出現

異端と使徒的生活

　カタリ派異端の登場

都市社会の生成と増大するあつれき貨幣使用の浸透

第７章　聖フランチェスコの革新

聖フランチェスコの「生成」

霊性と思想の独自性

修道会の展開

第８章　異端告発と学識者―ドミニコ修道会の役割

第９章　修道院の外で―ベギン派が映すもの



ポルトガルのジョアン、エンリケ王子がサンチャゴ、主キリスト騎士修道会のトップであり、バスコ・ダ・ガマも団員であったことを初めて知りました。（レビューより）



カバー・帯にスレが見られますが中はとてもきれいです。



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