詩人の谷川俊太郎さんと伊藤比呂美さんの対談集「ららら星のかなた」の出品です。
私が読み終えた中古ですが、折れや曲がりのない美品です。
現在熊本在住の伊藤さんが、都内に一人暮らしされている谷川さんを訪ねて質問攻めにするという体裁になっています。
この作品に収められた訪問数は7回。
2020年10月から2022年11月までの期間とのことです。
毎回テーマが異なりますが、全体を通してみれば繋がっています。
また、谷川さん作の詩が3品、伊藤さん作の詩が1品掲載されています。
総ページ数253。
初版発行2024年9月25日。
この冊子は初版です。
ご不在でもポスト投函されるネコポスで発送します。

谷川さんは私が保育園の頃にはもう第一人者だった詩人です。
伊藤さんも今作中で言っていますが、日本で詩人の代名詞といえば谷川俊太郎で「詩を書くだけで食べていけるのは谷川俊太郎のみ」と、彼女の担当する大学生が100人いたら100人とも答えるとのこと。
現在詩で一般的な一行おきに表記する「行あけ」も谷川さんが拡めた手法だそうです。
谷川さんは何度も否定していますが、伊藤さんのように「詩の神さま」と考える人も多いのでは、と想像します。
しかもまだ生きてる（2024年11月1日現在）。
ほとんどの神さまはとっくの昔に死んでいて、会話することもできませんが谷川さんとはまだ話すことが可能です。
詩に行き詰まりを感じている、という伊藤さんが通い詰めるのも必然でしょう。

谷川さんは散文が書けないそうで、逆に伊藤さんの散文も書ける能力を称えています。
散文は読み通すことすら苦手だとのことですが、伊藤さんの作品は珍しく最初から最後まで読めた、と。
しかも「面白かった」とまで言ってます。
神さまからそう言われたら、どんなに嬉しいことか。
まあ、谷川さんの「私はウソを平気でつける」との言葉も載っているのですが。
伊藤さんはウソが全くつけないとのこと。
ウソ吐こうとすると、全身が拒否反応を起こし挙動不審になるのですぐバレるそうです。
幼少期に家族の秘密を守り抜いた経験が、隠し事を抱えて育ったトラウマになっているんじゃないか、と自己分析されています。

この出品のBGMはマーク・ボランの「20th Century Boy」です。
谷川さん足す伊藤さんイコールの答えがこの曲なので。
ご質問等はお気軽にどうぞ。