1968年にCBS（ソニー）からRCAにレーベル移籍したオーマンディ＆フィラデルフィア管。このチャイコはそのCBS時代の録音。2008年にRCA（BMG）がソニーに吸収されたので、その後出たこのコンビの再発盤は70年代の新録音ばかり。ここに出品した旧録音はすっかり市場から姿を消した。この時代のオーマンディは「アメリカ的なゴージャスな響き」がウリで、素直な聴衆からはスンナリ受け入れられ知名度は高かったが、高名な評論家からは「深みがない」「職人芸」などと酷評されていた。そのせいか聴衆が耳年増になった1970年代からは急激に人気が薄くなった（21世紀に入って再評価されつつある）。

実際聴くと弦楽セクションが比較的前面に出て、ヴィブラートも大きく、厚みのある音を響かせ、名手揃いの管楽器セクションが華麗な音色を打ち出す。曲の解釈は意外にオーソドックスだけにオケの巧さが一層際立っている。旧ソ連の演奏とは正反対のチャイコフスキー。巧くて何が悪い！



ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団

チャイコフスキー

【CD1】

①交響曲第4番（1963年）

②大序曲「1812年」（1959年）

③スラヴ行進曲（1964年）

【CD2】

④交響曲第5番（1959年）

⑤弦楽セレナード（1960年）

【CD3】

⑥交響曲第6番「悲愴」（1960年）

⑦イタリア奇想曲（1966年）

⑧歌劇「エフゲニー・オネーギン」よりワルツとポロネーズ（1965年）

【CD4】

⑨白鳥の湖＜ハイライト＞（1961年）

⑩眠りの森の美女＜ハイライト＞（1961年）

⑪くるみ割り人形＜ハイライト＞（1963年）



ソニークラシカル 海外盤（CD1～3）国内盤（CD4）

1990年代製造

CD4は帯をシールでケースに貼り付けています。ご理解のある方の検討をお願いします。