カンディンスキー展
2002年　国立近代美術館

ワシリー・カンディンスキー
1866年12月16日 - 1944年12月13日
ロシア、モスクワ出身の画家、美術理論家。抽象絵画の創始者。
19世紀末ミュンヘンで絵の勉強を始め
る。20世紀初頭、ベルリン、パリでも活動を始め、1911年にはフランツ・マルクともに「青騎士」を結成。(シェーンベルクも参加)
1910年、最初の抽象画『コンポジション』は絵画表現の歴史に新たな一頁を加える。この代表作『コンポジション』シリーズはドイツ滞在中に制作。1922年、バウハウスで教官を務め、1933年にナチス・ドイツによってバウハウスが閉鎖されるまで勤務。1941年、フランスがナチスによって占領されたのにもかかわらず、彼はアメリカへの移住を拒否し続け、1944年パリ郊外ヌイイ＝シュル＝セーヌでその生涯を閉じた。1928年にはドイツ国籍、1939年にはフランス国籍を取得。

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カンディンスキーが生きた時代は、19世紀後半から20世紀前半にかけての大きな歴史のカーブの真っ只中でした。
芸術分野では、革新的・前衛的発想の、「見たことも聴いたこともない」ような作品が次々と生み出された時代です。たとえば、印象主義以降の美術分野では、フォーヴィスム、キュビスム、シュルレアリスム、表現主義、フォルマリスム、………。

カンディンスキーは11歳からピアノとチェロを学び、音楽にも造詣が深く、後に、20世紀初頭の革命的音楽家の一人、シェーンベルクとの交友でも知られています。シェーンベルクもまた、美術に強い関心と才能を示し、カンディンスキーが結成した「青騎士」のメンバーに名を連ねています。
美術と音楽は共に言葉では表現しきれない「何か」を伝える手段でもあり、メディアでもあります。彼は活動初期の頃からそのことに意識的でした。

実はカンディンスキーが目指していたのは、マルチメディアを駆使した総合舞台芸術だったのです。それは実現していたら新たなカテゴリーの芸術になるはずでした。しかし２度の大戦で頓挫した計画も多く、ストラヴィンスキーとバレエ・リュスのコラボレーションのような成功は得られませんでした。

美品。