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世界の終わり、あるいは始まり

　前半１/３までに、４件の小学生の連続誘拐殺人事件が紹介されます。最初の被害者は主人公・富樫修の近所に住む、息子・雄介の友人でした修は雄介の部屋で４人の被害者の親の名刺を見つけたことから息子が連続幼児誘拐殺人事件に関わっているのではないかと疑い始めます。更に雄介の机の引き出しから拳銃と銃弾を発見します。息子が連続誘拐殺人事件の犯人だとほぼ確信した時、父親はどうするべきなのか？ここまでが発端で、以降は父親の妄想編に移行します。この仕組みがわかるまでは読者はちょっと戸惑い翻弄されます。

　「多重解決」で５つの異なった結末を創作するにあたって、理論に破綻が無いように上手に伏線を配備しているプロット構成が巧みです。



女王様と私

女王様はモデルをやっている小６のドＳ美少女・来美で、私はデブでオタクでニートでひきこもりで、さらにロリコンという44歳独身中年・数馬。来美にたまたま出会った数馬は、舞い上がって彼女のいいなりにメッシー君になり下がるのですが、それでも幸せ。しかしこの女王様は悩みを抱えています。それは同級生が連続殺人事件に巻き込まれたので、自分も狙われているのではないか心配だというもの。そもそも面倒なことを嫌って引きこもっていたオタク中年が、女王様のために連続殺人事件の真相を探るのです。

しかし事件とは関係ないのに何故か数馬は容疑者として逮捕されます。来未の同級生や教師の殺害現場に数馬の指紋付きの証拠がみつかったのでした。ここで来未に嵌められたことに気づきますが、警察による過酷な取り調べが何日にも渡って続きこのままでは冤罪で死刑になってしまいます。絶体絶命の和也が窮地を脱するために使った手段は？