「宗棍」
今野 敏
定価: ￥ 900

#今野敏 #今野_敏 #本 #日本文学／小説・物語

一読された古書を購入し、一読しました。
1日で読了できるほど、読みやすさと、読み出したら止まらない面白さで，終わるのが寂しい思いをしました。

松村宗棍の人生をこの本で読み通しながら中国と，ヤマト，薩摩藩との関係、沖縄県になる歴史の中で、手（ティ−）と呼ばれる現在の空手がどのように成熟し，今の形になっていったのか？フィクションではあるとはいえ、そこには、凄まじく自分たちのものにしていく吸収力の速さ、示現流の鍛錬から巻藁が生まれたとか、
馬歩が，騎馬立ちになった。
套路が、段のものと言われ、型になり
推手が、カケダメシと呼ばれ、組み手に
勁は，なんだろうか、それは極めの時に発している何かだと感じた。
歴史の一コマとして眺めながら、
先日，所沢で開催された，太極拳まつりを見学した時、中国武術団の素早い体の動き、流れるような動きの中で技を繰り出すところで、一瞬静止するところ、それが空手の型の静止するところと同じで、
見ていたら、その瞬間、体に痺れが走ったきがしました。ものすごいいいものを見させてもらった、太極拳を学びながら理解しかけていたこと，空手は，ここから間違いなくきているものを感じる，違うものではない、そんな出来事とリンクするかのように、そこでしか受け取れなかった言葉が、この小説の中で，あちこちに出てきました。発売当日購入してたら，読んでもピンと来なかったに違いない、しかし太極拳まつりの翌日に届き，読み終えた今，あーあれのことか、騎馬立ちで何分も我慢するのは、馬歩で鍛錬するのと同じことなんだな、と改めて今進んでいる道が正しいんだと思えました。いろんな流派、流れ系統の違いを言うよりも，そこに根付いている共通項を見つけるのが私が今目指している一生かけて培うものなんだな！と立ち返らせてくれた本になりました。
武道，空手、拳法を学ぶ人に読んでほしいので一旦，出品します。
また読みたくなったら、また手に入れて研究したいと思います。