絹鼠色の飾らない涼の泉に浮かぶ紫陽花...。

あえて華やかな色を持たずにしっとりと開く涼の泉には、目にも美しく涼し気なその透け感に古くから人々の間で愛でられ、奈良時代につくられた万葉集や平安時代の和歌にも多く詠まれる紫陽花を精巧に浮かべ、これから迎える貴女と共に多事を成すように満開となる、紗“紫陽花”夏着物正絹仕付け糸付トールサイズお召でございます。

～紗～
二本の経糸で緯糸一本ずつをからめて織り上げたシンプルなもじり織で、絽以上に透け感がある“紗”。こちらのように織り柄のある紋紗、紬糸を使った紬紗などがあります。7月、8月の盛夏はもちろん、白襦袢ではなく色襦袢を重ねて透け感をなくして悪戯な気温の変化を見せる6月、9月の単衣の季節にも着られます。

左胸下(着用時は帯等で隠れる部分)に薄しみ、少々の樟脳の匂いがございますが、保管時に付いたもので撮影のため一度着付けた“あなただけの”真新しい一品。

長身さん必見の“トールサイズ”、ミシン製とは一味違う“手縫仕立て”ならではの馴染みの良さ、肌当たりのやわらかい“正絹”素材の心地よい抱擁も魅力的。

～お召～
徳川十一代将軍家斉が好んで召されたことならその名が付いたとされる“お召”は、御召縮緬の略称で縮緬と同様に緯糸に強い撚りをかけた生糸を使いますが、糸を染色してから織り上げます。独特のしぼを持ち、紬よりも軽く裾捌きもよいので、観劇やお稽古、華やかなパーティーから目上の方へのご挨拶まで幅広くお召し頂けます。

“飾らない涼の泉で満開を迎える紫陽花”、貴女の元で育んでください。


採寸表
身丈 ： 170cm（肩から）
裄　 ： 67cm
肩巾 ： 33.5cm
袖巾 ： 33.5cm
袖丈 ： 49cm
前巾 ： 23cm
後巾 ： 28cm
素材 ： 正絹(単衣)
折代 ： 身丈(内揚げ 前1.5cm・後5cm)　裄(身頃側：0.5cm・袖側：0.5cm)　袖丈(5.5cm)

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