ブラームス

ヴァイオリン協奏曲ニ長調 op.77



ダヴィッド・オイストラフ(ヴァイオリン)

指揮:オットー・クレンペラー

フランス国立放送管弦楽団

録音:1960年11月



オイストラフとクレンペラーによる歴史的名盤です。オイストラフの包容力のある温かく、美しく、雄大なヴァイオリンの音色を楽しめる格好のディスク。オイストラフのブラームスでは1969年にセル指揮のクリーブランド交響楽団と共演したものもあり、どちらも甲乙つけがたい素晴らしさです。最新の名曲名盤500では、このオイストラフ/クレンペラー盤が第2位、オイストラフ/セル盤が第3位に選定されています。この盤は60年以上前の録音ですが奇跡的な素晴らしい音質です。クレンペラー指揮はフランスのオケとは思えないくらいの重量級の響きです。



ブラームスのヴァイオリン協奏曲が好きで、名演と評された新旧の盤はほとんど聴いています。音楽の豊かさと大きさ、格調の高さ、堂々としたさま、技術が優れていること、ブラームスのもつ男のロマンの表出、全てに心奪われる演奏があります。それがオイストラフの演奏です。バックは巨人クレンペラー指揮のフランス放送管弦楽団（クレンペラーがフランスのオケを指揮した演奏は極めて珍しい）ですが、楷書的で艶やか、かつ微動だにせぬ磐石の演奏は、深々とした感動をもたらします。



数あるブラームスのヴァイオリン協奏曲の中で、今も尚まさに名演中の名演。並ぶ者の無い、まさに金字塔の演奏。オケが、テキトウな仕事をすることで有名な（特に、昔は）フランスのオーケストラに、こんなに良い仕事をさせるクレンペラーは、まさに神が降臨したと言っても良いほど。真に神がかっている！クレンペラーは、かつてこのような言葉を残している。「指揮は、多かれ少なかれ、暗示力だ。指揮者はこの暗示力によって、並みの水準のオーケストラを、相当程度にまで引き上げることが出来る。」まさしく、その好例がこの録音である。この音源のＣＤは数種ありますが、初期の国内盤が最も雰囲気があって良いように思う。



国内盤、帯無し、盤面傷無し　



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