小説のセット売りです。どれも良い本だったので、ぜひ読んでみていただけると嬉しいです。

①南杏子「いのちの停車場」(2020) 幻冬舎文庫
東京の救命救急センターで働いていた、62歳の医師・咲和子は、故郷の金沢に戻り「まほろば診療所」で訪問診療医になる。命を送る現場は戸惑う事ばかりだが、老老介護、四肢麻痺のIT社長、小児癌の少女………様々な涙や喜びを通して在宅医療を学んでいく。一方、家庭では、脳卒中後疼痛に苦しむ父親から積極的安楽死を強く望まれ… (解説:東えりか)

②梨木香歩「海うそ」(2018) 岩波現代文庫
昭和の初め、人文地理学の研究者、秋野は南九州の遅島へ赴く。かつて修験道の霊山があったその島は、豊かで変化に富んだ自然の中に、無残にかき消された人びとの祈りの跡を抱いて、彼の心をとらえて離さない。そして、地図に残された「海うそ」ということば…。50年後、再び遅島を訪れた秋野が見たものはーー。(解説:山内志朗)

③馳星周「少年と犬」(2023)文春文庫
傷つき悩み、惑う人々に寄り添っていたのは一匹の犬だったーー。2011年秋、仙台。震災で職を失い。家族のために犯罪に手を染めた男。偶然拾った犬が男の守り神になった。壊れた夫婦は、その犬をそれぞれ別の名前で呼んでいた。人と犬の種を超えた深い絆を描く感涙作。第163回直木賞受賞。(解説:北方謙三)

④グレアム・グリーン「情事の終り」(2014)新潮文庫 訳: 上岡伸雄
人妻サラとの道ならぬ恋から一年半。なぜ彼女は去っていったのかーー捨てきれぬ情と憎しみとの間で煩悶する作家ベンドリックスは、その雨の夜、サラの夫ヘンリーと邂逅する。妻の行動を疑い、悩む夫を言葉巧みに説得した作家は、自らの妬心を隠し、サラを探偵に監視させることに成功するが…。鮮やかなミステリのように明かされる真実とは。究極の愛と神の存在を問う永遠の名篇。

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