「うれしいときってどんなとき うさこちゃんのにゅういん」
佐原 良子
定価: ￥ 943
絶版絵本

【内容】
うさこちゃんがあそびにこない。
心配した山の動物たちがうさこちゃんの家に行くと、うさこちゃんは熱を出して入院したとのこと。
みんなはさっそく病院へお見舞いに…。



絵本作家の佐原さんが絵本を描こうと思ったのは、愛児を心臓病で亡くした後にパンダ園の保母となり、そこで出会った子どもたちがきっかけでした。

パンダ園とは「心臓病の子供を守る京都父母の会」が主催している共同保育所で、重症児のための集団生活の場として長年取り組まれているところです。

佐原さんが最初に絵本を描きたいと思った頃には，パンダ園で出会った子どもたちのうち15人ほどが心臓の手術ですでに亡くなっていました。
通っている頃はどの子もいきいき過ごしているのですが、手術時に亡くなることが多かったんだそうです。

手術までに「あなたのいのちはすてきないのちなんだ」ということを子どもたちに伝えたい、そんな佐原さんの思いが託された絵本は、『かみさまのおてつだい～ぼく、びょうきでいいんだね～』に続いて、病児によって生きる喜びを与えられていることを描いた『うれしいときってどんなとき』など、生きる元気やたがいを思い合う気持ちを与えてくれたパンダ園の病児たちを描いています。


補足:
開設当時は市の援助もなく、心身障害児福祉協会の一室を借りての週１回の保育で、絵本が出版された時点では京都葵教会の協力の下、教会の一角で週２回の保育が行われ、
心臓病の子どもだけでなく、地域を中心に誰でも親子で集うことのできる保育所として、地域に根づいた活動を展開されているそうです。
また、ともに育ち合う場としてたくさんの通園児・卒園児の親や地域の人たちがボランティアとして参加し，保育場面や給食でパンダ園をささえておられるそうです。




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