「さらば、テレビジョン」
著 者：倉本聰
発行所：冬樹社
発 行：昭和53年初版
　　　 昭和55年第13刷
定 価：850円

ご覧いただきありがとうございます。

倉本聰の初エッセイ集です。

今では大御所と言われる俳優とのエピソードが書かれています。もう亡くなった方の話もあるので貴重で、こんな人だったのかと思います。

倉本聰の鋭い観察眼で見たり聞いたり話したりしたそれぞれの俳優の話が面白く、感心させられる逸話ばかりで面白いです。

大原麗子、仁科明子、桃井かおり、萩原健一、大滝秀治、笠智衆、石坂浩二、浅丘ルリ子、黒柳徹子・・・etc
珠玉の話をお楽しみ下さい。

倉本聰脚本で若かった頃よく見て凄く心に残ったドラマがあります。

「2丁目3番地」
石坂浩二、浅丘ルリ子主演のドラマで、浅丘さんの美しさとチャキチャキした台詞がとても好きでした。
浅丘さんと石坂さん、范文雀さんと寺尾聰さんはこのドラマがきっかけで結婚したのです。
またその時の主題歌が赤い鳥の「目覚めた時には晴れていた」でした。今聞いてもなつかしい。

「勝海舟」
私が若い頃、大河ドラマで、坂本竜馬や西郷隆盛等討幕派や幕末で無血開城した中心人物、勝海舟らが自己保身ではなくそれそれが日本の将来を真剣に考え行動したドラマに感動しました。

その時のテ−マ曲が今でも大好きです。
このドラマで松方弘樹さんと仁科明子さんが結婚したんです。

「前略おふくろ様」
萩原健一さん主演で板前役で毎回、冒頭や途中のナレ−ションで母への手紙を萩原さんが読むというのが新鮮な感じがしました。
共演に桃井かおりや坂口良子がおり、とても可愛い2人が色んな騒動を起こすのがとても面白かった。

またテレビ業界の裏話があって楽しく読めます。

最終章で晩年の田中絹代さんと仕事を通して付き合うこととなりますが、衰えて行く名女優の死期が自分の作品の最終回と重なってしまうのではないかとの運命性を感じ思い悩みます。果たして結果は・・・

（昨日TBSの林修の初耳学で米津玄師さんが死をテ−マに「Lemon」を作った時、お祖父さんが亡くなり、必然を感じたそうです。）

是非読んで味わって下さい。

※経年が経っていますのでシミや焼けがありますことは、ご了承下さいますようお願いします。

よろしくお願いします。