マーラー:交響曲第1番
david zinman デイヴィッド・ジンマン
チューリヒ・トーンハレ管弦楽団

1995年、デイヴィッド・ジンマンが首席指揮者に就任以来、この10年間チューリヒ・トーンハレ管弦楽団（TOZ）の躍進ぶりは止まるところがない。ヨーロッパの名門らしい芳醇で深い音色をたたえつつ、響きの透明感を獲得するだけでなく、作品の時代によって、使用楽器を選び、編成・オーケストラ配置などを自在に変えることで、各時代の音楽を鮮やかに現在に蘇らせるその独特の手法は、「21世紀のオーケストラのあり方の理想的な姿の一つ」として世界的に大きな評価を得ている。

音がいい。豊かに広がる音空間の中に、各楽器がくっきりと浮かび上がる。夏の夜の神秘的な情景が目に浮かぶようだ。驚いたのが3楽章の冒頭でチェロが一人で奏でる旋律。今まで聴いたことがないくらいのリアルな音だった。思わず聴き惚れてしまったぞ。音の良さはいくら語っても語りつくせないほど。

演奏はスッキリと爽やか。明るく屈託がない。マーラーといえばいつも出てくる陰欝、操うつ病、情念、破壊的、といった単語は一切浮かんでこない。人生はこんなに楽しく愉快なものなのかといった感じで進んでいく。

合計収録時間 | 01:02:00
【曲目】
マーラー： 交響曲 第1番 ニ長調 「巨人」 （マーラー協会版決定稿） 「花の章」付
【演奏】
デイヴィッド・ジンマン（指揮）、チューリヒ・トーンハレ管弦楽団

ケース破損の為、新しいケースに入れ替えています。