積水ハウス、クーデターの真相　「保身」/藤岡雅著/角川書店発行/2024年3版



定価：2310円（税込）

ISBN978-4-04-109756-4



１度通読しただけの未使用・新品に近い状態です。



2024年に大ヒットしたnetflixのドラマ「地面師たち」のベースとなった積水ハウス事件を綿密に取材したドキュメントです。

通常の企業なら防げたはずの地面師詐欺に遭い55億円もの損失を出してしまった積水ハウス。当時の社長以下経営幹部の責任は明確でした。

本来なら、取締役会で解任されるはずの経営幹部たちが、クーデターを図り解任に動いた取締役会長や良識ある経営幹部たちを逆に解任・放逐してしまい事件の責任をとらず隠ぺいに走るという前代未聞の事件の詳細が書かれています。



フジテレビの中居正広氏事件で企業ガバナンスの問題が再注目されていますが、そもそも企業ガバナンスとは何なのか、「失われた40年」で日本企業が本物の経営人材を失ってしまったのはなぜなのか、こうした本質的な問いに一石を投じる一冊です。



事件は地面師グループの実行犯たちが逮捕され服役中なのですが、50億円以上のお金がどこにいったのかは未だにわかっておらず、また、幹部社員や司法書士等の警告が幾度もあったにもかかわらず積水ハウスの当時の経営陣が何故架空取引を急いで進めてしまったのかなど謎は今も残っています。

イエスマンばかりが増殖し、イエスマンが社長を引き継いでいく、イエスマンほど内部統制にこだわり独裁化してしまう、この負のスパイラルから日本企業は抜け出せるのか？

三洋電機、雪印乳業、パナソニック、シャープ、東芝、積水ハウス、フジテレビ等々例えに困らない日本企業と経営者の劣化と腐敗はいつまでつづくのでしょうか。