「マカンバー・マギーがたべたソーセージ」
青山 南 / パトリック・ロア
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アメリカ・デンバーに在住し活躍する美術家ロアが初めて手がけた愉快な企みに満ちた悪戯絵本です。雨のよく降る海のそばの村にあるちょっと不気味なお屋敷にマカンバー・マギーという小さな男の子が住んでいました。
マカンバーは寝てばかりいておなかがぺこぺこで倒れそうになり、必死であちこち探してやっと冷蔵庫の奥に一本のソーセージを見つけました。嬉しくてガブリと一気にかぶりついた時、いきなりおねえちゃんが部屋に飛び込んで来て暗〜い声で「肉を生で食べると死ぬんだよ」と残酷に告げます。正式に紹介はされませんが、気の弱い少年マカンバーに飼われているイグアナくんがいつもピタッと寄り添ってとても良い味を出しています。マカンバー少年の顔のイラストを見ると、どなたでもきっと今話題の日本の有名人の顔を思い浮かべられるでしょう。（ヒントは元Ｓのつくグループの一員です。）暗示の力は恐ろしい物で気分が悪くなり絶望して本当に死にそうになる少年を、おかあさんが何とか救いの手を差し伸べて安心させ、マカンバーとイグアナくんがいっしょに飛び上がって喜ぶ姿がとても微笑ましいです。ごく軽いノリの物語ですが、「あわてて誰の言う事でもむやみに信用しないで本当なのかよく確かめる事！」という貴重な教訓が得られる愉快な悪戯絵本かと。