大学受験数学における、最高の名著と称えられる本書。
昭和60年(1985年)6月1日に、東京出版から発行された、初版本、ハードカバー。オリジナルカバー付きです。久しく絶版で、著作権の事情でしょうか、復刻の気配すらありません。国会図書館に収められている原本は、現在では多度の複写で相当傷んでしまっているようです(ちなみに法律の制約にて、複写は半分まで)。
数学者また数学教育者として著名な栗田稔先生の、伝説の書。
大学受験数学において出題される問題の、ほぼ全ての出題意図は、この書の内容を演繹・帰納することにより、たやすく解読可能になります。

読後感はあたかも、野球の名キャッチャーからバッテリーにおける配球の組み立てを、簡潔明瞭に手取り足取り教えてもらっているようです。160キロの豪速球でも、事前にど真ん中に投げるのがわかっていれば、プロのバッターであればかなりの確率でミートできるはずです。

読み通した途端、ほとんどの難問に対して、複雑な迷路を高次から俯瞰でき、ゴール(解答)からスタート(出題意図)へと辿る逆のルートが頭の中にクッキリと、浮かぶようになりました。出題者の、出題に至るまでの心理が透けて見えるのです。各問題を成立させている、骨格(仕組み・企み)が瞬時に次々と、目の前に現れてきます。驚くべき体験でした。

この本のおかげで今の私があります。ありがとうございました。偶然出会えた奇跡に感謝です。数学好きにはたまらない革命的名著だと思います。

本の状態についてですが、カバーの背表紙上部に8ミリほどの小さな破れがあります。カバー表面に若干、経年的ヤケがありますが、当時の書物としては保存状態は悪くない方だと思います。
書籍本体には書き込みや折れ、目立つシミや汚れはありません、ご安心を。いわゆる古書臭もほとんど感じません。

受験生だけでなく、数学の指導者の方もどうぞ。
数学に限らず、他の分野にも広く応用可能な汎用性の高い書物だと思います。
誉高き名著をご購入の上、是非ともご一読を。