往年のクナ&ウィーン・フィルのブラームスの響きを如実に復刻。初出時のオリジナル・カップリングで再現!

【収録曲】
ブラームス:
1. 大学祝典序曲
2. ハイドンの主題による変奏曲
3. アルト・ラプソディ
4. 悲劇的序曲

【演奏】
ルクレティア・ウェスト(アルト)
ウィーン・アカデミー合唱団
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ハンス・クナッパーツブッシュ(指揮)

【録音】
1957年6月10-15日 ウィーン、ゾフィエンザール


悠然たる趣を持つクナのブラームス演奏は、ワーグナーやブルックナーのみ重要視される中においては、織り上げられる機会が少し少ないのかも知れませんが、現在の整ったブラームス演奏とは比較にならない野太い響きは、今日でも聴く者を魅了してやみません。他の演奏を一切寄せ付けない「大学祝典序曲」、ゆったりと感じるテンポがより暗さを強調するかのような「悲劇的序曲」、「ハイドン変奏曲」の旋律の美しさとフレージングの闊達さ等、筆舌にし難い演奏が収められています。ブラームスの交響曲ではベルリン・フィルとの有名な第3番を含め、伝説的な演奏も多く存在します。クナの得意な作曲家であったことは間違いありません。その中でも、これらの管弦楽曲3曲とアルト・ラプソディは、数少ないクナのセッション録音されたブラームス録音である点(DECCAでは他にスイス・ロマンド管との交響曲第2番のSP録音あり)と、当時の最先端であるDECCAの録音技術、そして当時のウィーン・フィルの独特な音色を含め、非常に魅力的な盤です。CD時代では、これらの4曲は別の音源とカップリングされることが多く、散逸しがちな音源でしたが、今回の復刻ではオリジナルの収録で復刻いたします。
ジャケットは英初出時のオリジナル・デザインを使用しました(当初monoでのみ発売)。音質面でもこれまでのコンセプト通り、オリジナル・マスターからのハイビット・ハイサンプリング(96kHz,24bit)でデジタル化した音源をCDマスターに使用しましたので、これまでの音質と比較し、より高解像度で滑らかな音色を味わうことができます。当時のDeccaの高品位な録音技術は現在でも目を見張るものがあり、その鮮明さや力強さに今さらながら驚くことでしょう。解説書には、新規で榊洋希氏による序文解説を掲載。