玉泉 八州男、女王陛下の興行師たち―エリザベス朝演劇の光と影、芸立出版、1984年。第7回サントリー学芸賞・芸術・文学部門受賞

定価2500円＋税

シェイクスピアが活躍した時代の演劇とは？劇場にはどんな人たちがー？文学ではなく、歴史学の立場からその実態を生き生きと蘇らせた日本人研究者の不朽の名著。背表紙の裏の汚れ（最後の写真）を除き、とても綺麗な品です。最近増版されず、書店で見かけなくなっています。

【商品解説】
　演劇が旅廻りの芸人によって行われる一時的な余興、見世物から、現代まで続く常設の専門劇場を持つ劇団を中心とする近代的興行へと成長した16世紀イングランド。シェイクスピアなど歴史に名を残す劇作家が生まれ、現代の演劇文化の基礎が花開いた。だが当時の演劇の実体についての情報は意外に少ない。『女王陛下の興行師たち』はこの時代に急速に演劇が発展した政治的、宗教的、社会的背景を丁寧に探り、劇場の構造、客層からトイレの場所、料金の徴収方法まで具体的な形態を様々な資料を調査、当時の世界観を生き生きと再構築した労作である。猥雑ながら活気に溢れたエリザベス1世治世下の16世紀後半という時代の手触りと、その時代を駆け抜けた名もない人々の夢と欲望、息遣いが蘇る一冊。第7回サントリー学芸賞・芸術・文学部門受賞。


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