「宗教哲学」

Jean Grondin / 越後 圭一

定価: ￥ 1200



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「生と存在の意味を問う」という共通課題を持ちながら、哲学と宗教は理性と信仰や神という立場で対立してきた。古代ギリシアから現代までの西洋思想史を通して本質的な関わりを検証。



宗教と哲学における本質的な重なり合いを包括的に検証しながら、これまでの一面的な見方からの脱却を試みる。古代ギリシアからラテン、中性世界を中心に論じつつ、桎梏から解放された近現代の姿を浮かび上がらせ、宗教と哲学の関わりの変遷を丹念に解説。



［目次］



序　宗教と生の意味



第一章　宗教と近代科学

Ⅰ　現代世界の名目論（ノミナリスム）

Ⅱ　宗教は現代科学のせいで時代遅れなものになってしまったか？



第二章　宗教哲学の広大な領域



第三章　宗教の本質──信念をともなう祭祀

Ⅰ　本質主義、機能主義のアプローチ

Ⅱ　宗教的なものの超記憶的（インメモリアル）性格

Ⅲ　宗教の二つの極

Ⅳ　象徴が翻訳する生のもつ意味

Ⅴ　宗教の普遍性



第四章　ギリシア世界

Ⅰ　ギリシアの「宗教」

Ⅱ　ソクラテス以前の哲学と宗教

Ⅲ　プラトン──形而上学になった宗教

Ⅳ　プラトンによる形而上学の基礎づけ

Ⅴ　神話的伝統の批判──神的なものの善化（アガトニザシオン）

Ⅵ　プラトンと都市国家の宗教

Ⅶ　アリストテレス──神的なものと神話的伝統の合理化

Ⅷ　精神の形而上学

Ⅸ　アリストテレスの非神話化

Ⅹ　ヘレニズム時代における宗教哲学の発展



第五章　ラテン世界

Ⅰ　宗教、ラテン語の単語

Ⅱ　キケロによる宗教──注意深く読み返すこと

Ⅲ　ラクタンティウスの考える宗教的結びつき

Ⅳ　アウグスティヌスにおけるプラトニズムとキリスト教の総合



第六章　中世世界

Ⅰ　知の二つの源泉

Ⅱ　アヴェロエスとマイモニデスの宗教哲学

Ⅲ　トマス・アクィナスによる宗教の徳



第七章　近代世界

Ⅰ　スピノザと聖書批判

Ⅱ　カントの道徳宗教

Ⅲ　シュライアマハーにおける無限の直感

Ⅳ　シェリングとヘーゲルにおける宗教の哲学的体系化

Ⅴ　ヘーゲル後の宗教批判

Ⅵ　ハイデガーと聖なるものの可能性