ブラームス

ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 作品15



アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)

ズービン・メータ指揮

イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団

1976年録音



人気音楽評論家:宇野功芳氏が大推薦した名盤として有名な演奏です。録音時、ルービンシュタインは89歳ですが、年齢による衰えは全く感じられず、ゆとりとみずみずしい感性が溢れた演奏です。ルービンシュタインの最後のレコーディングとなったもので、素晴らしいのはこの曲に注がれる巨匠の情熱です。ルービンシュタインはこの曲を4回レコーディングしていますが、この盤が代表盤とされています。



音楽評論家:宇野功芳氏

「ルービンシュタインはちょっとテンポを落とし加減に登場するが、その落ち着きのあるもの思いにまず惹かれる。タッチはいつもしっかりしていて、ブラームスが書いた複雑な音符のすべてをひびかせながら、少しもうるさくならず、精神の強さを感じる。リズムはごつごつして豪傑風であり、分散和音にさえ歌があり、語りかけはすばらしく、第二主題は分厚くハーモニーを生かし、滋味に富むように、一般のピアニストだと単なる音の動きだけになりがちなところも、ブラームスの憧れ心が満点なのだ。」



協奏曲といっても、ブラームスの場合はピアノ付き交響曲と言われるくらいなので、オケの個性も重要です。その点、この演奏は１楽章冒頭から熱い音楽で聴き手に揺さぶりをかけてきます。さすがの音楽だ、と思っていると、そこにすっと入ってくるルービンシュタインのピアノにさらに驚きます。さすがにテクニックは全盛時よりは落ちているが表現は深みを増しています。力みは一切なく、どこまでも自然体でゆとりある表現。メータの指揮も実に見事です。ルービンシュタインの立派で威容と情感に満ちたこの演奏は、ブラームスのピアノ協奏曲第1番のCDの中でも指折りの名演奏。このピアニスト最後の録音だが、なんというみずみずしい情感と光輝で威厳を感じさせる演奏だろう。イスラエル・フィルも十分に鳴りきっています。録音もまずまずです。



国内盤【廃盤】帯無し、盤面傷無し



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PT様