『伊藤若冲』（新潮日本美術文庫 10）

時空を超えた奇跡の画家、伊藤若冲の世界

京都の青物問屋の跡取りとして生まれながらも、絵に魅了され、独自の道を歩いた伊藤若冲。その作品は、緻密でありながら幻想的な魅力を放ち、現代においても世界中のアートファンを捉える本書『伊藤若冲』は、そんな若冲の代表的な作品を美麗なカラー図版で紹介しつつ、彼の生涯と画業を詳しく解説した一冊である。



若冲は「奇想の画家」とも称されるが、その細密な描写と大胆な構図には、科学的とも考える観察眼が宿る。 動植物を生きたような描いた屏風絵や、視覚を錯覚させる大胆な作品な構図の数々。本書では、彼の代表作である《群鶏図》《雪中鴛鴦図》《蓮池遊魚図》などの詳細な解説とともに、江戸時代の京都都市文化の背景を読むというもの。



魅力

伊藤若冲の作品には、時に「異世界との交信」が示唆されることがある。例えば、《群鶏図》の異様なまでにリアルな鶏の目差しには、鶏と会話できる 。また、彼の作品の中には、肉眼では見えない何かが潜んでいるという噂もある。 これは、若冲が「極細の筆致で隠し絵を仕込んでいた」とされることに由来するのかもしれない。



江戸時代の絵師の中でも、若冲ほど奇抜で謎めいた存在は他にいない。 彼は一時一般的な画風に迎合せず、独自の美学を貫いた。 「か」に導かれるような不可能思議な軌跡を描いている。



出版情報

タイトル:伊藤若冲（新潮日本美術文庫 10）

出版社:新潮社

発行年: 1996年

出版社: KADOKAWA



内容:若冲の代表作の図版と解説、彼の生涯年表、作品解釈



本書は1996年に出版され、かなり長い月が経過しているが、それが若干価値を高めている。日本美術文庫というシリーズの中でも特に人気が高く、入手困難になりつつある。アートコレクターや若冲ファンとも、時を超えた芸術の奇跡を手元に残す絶好のチャンスだ。



伊藤若冲の作品には「時間の概念を超えた何か」がある。 それは、美しい絵画を超えた「異次元への扉」はないかもしれない。本書を手に取れば、あなたもその扉を開くことになるだろう。



●梱包については、防水も兼ねてプチプチを使用します。

※傷や汚れの具合いなどの判断には個人差がありますので写真でよく確認してください