伊坂幸太郎【重力ピエロ】新潮文庫ミステリー小説　

兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。半分しか血のつながりがない「私」と、弟の「春」。
春は、私の母親がレイプされたときに身ごもった子である。
ある日、出生前診断などの遺伝子技術を扱う私の勤め先が、何者かに放火される。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは――。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに……。

「春が二階から降ってきた…。」

伊坂幸太郎さんの作品中でも『重力ピエロ』が特に好きです。まだ伊坂さんの作品の中では初期の方でしたので、もっと最近の作品の方がお話の方が組み立て方などが上手いのかもしれませんが、全ての作家さんの中でも登場人物達にこれほどまで惹かれた小説はありません。
理屈なくあの兄弟、父、が好きであり、この作品に惹かれております。私の生涯において特別な作品となるほど深く感銘の受けたお話でした。賛否両論ありますが、殺し屋シリーズとは別物として。
伊坂幸太郎さんの伏線回収は天才的だとおもいます。
そして、家族愛に涙腺崩壊。
第129回直木賞候補作品

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